女性ホルモンの種類について
女性ホルモンには「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」の2種類があります。
・卵胞ホルモン → 身体を女性らしくさせる役割がある。
・黄体ホルモン → 妊娠や出産に関わるホルモンで、抗男性化作用がある。
2種類のホルモンを摂取する事により、女性化に向けた効果に繋がります。
卵胞ホルモンの種類
弱 → エストリオール
・ → エストロン(80%)
・ → エストラジオール(4%)
強 → エチニルエストラジオール(45%)
( )内の値は、バイオアベイラビリティです。バイオアベイラビリティとは、錠剤に含まれる主成分が、身体にどれくらい作用されるかの割合の事です。
エストリオールは、女性化作用が弱く、MTFのホルモン治療では基本的に使われない。
エストロンは、天然型の卵胞ホルモンであり、ゆるやかに身体へ作用していくので、ホルモン治療初期の方が利用される事が多い。
エストラジオールは、天然型の卵胞ホルモンであり、血液検査で検出される女性ホルモン値は、このエストラジオールである。
エチニルエストラジオールは、科学的に作られたエストラジオールであり、エストラジオールに比べ、作用が強く、バイオアベイラビリティが高い。
黄体ホルモンの種類
弱 → プロゲステロン
強 → 酢酸シプロテロン
プロゲステロンは、天然の黄体ホルモンであり、黄体ホルモン本来の効果が発揮される。
メドロキシプロゲステロン酢酸エステルは、科学的に作られた黄体ホルモンであり、プロゲステロンよりも抗男性化作用が強い。
酢酸シプロテロンは、強力な抗男性化作用を持ち、テストステロン値を一気に下げることができる。その分、副作用のリスクが大きい為、6ヵ月以上の連続服用は医学的に禁止されている。
女性ホルモンによる身体への作用
得られる効果
- 体臭が抑えられる。
- ニキビが減る、もしくは無くなる。
- 乳腺が発達し、胸が大きくなる。
- 脂肪の付き方(顔・尻・腰など)が女性的になる。
- 髪質が柔らかくなり、しなやかになる。
- 髭や体毛が細くなり、生えにくくなる。
- 肌が白くなったり、肌質が綺麗になる。
副作用
女性化する為の条件
- テストステロン(男性ホルモン値)を、女性基準値まで下げる。
- エストラジオール(女性ホルモン値)を上げる。
- アルコール類を控える。
卵胞ホルモンのみ摂取した場合、女性化はなかなか進みません。
卵胞ホルモンでエストラジオール値(女性ホルモン値)が上がったとしても、テストステロン値(男性ホルモン値)が高いと、男性ホルモンによって女性化が阻害され、女性化が進まないという事です。
なので、女性化する為には、「卵胞ホルモン」「黄体ホルモン or 抗男性ホルモン」を摂取する必要があります。
また、アルコール類を摂取すると、肝臓でアルコールが分解されると同時に、女性ホルモンも分解されやすくなります。効果を十分に得たい場合、アルコール類は控えるべきでしょう。
性ホルモン値について
性ホルモン値の基準値です。
MTFの理想は、テストステロン値:0.50ng/ml以下、エストラジオール値:80pg/ml以上 となります。テストステロン値を下げつつ、エストラジオール値を上げる事が大切です。
テストステロン値を一気に下げたい場合は「酢酸シプロテロン(シテロン等)」が有効です。2~3ヵ月で、0.25ng/ml以下まで下がる場合がほとんどです。
エストラジオール値を上げるには、エストラジオール(E2)を含んだホルモン剤を摂取する必要があります。例えば、卵胞ホルモンとしてエチニルエストラジオール(EE2)のみ摂取した場合、血中エストラジオール値は上がりません。(検査で検出されない)
まとめ
女性化する為には「覚悟」も必要だと思います。
一度ホルモン治療を行うと、性機能は低下し、子供が作れなくなるケースがほとんどです。ホルモン治療を辞めたとしても性機能は死んでいる為、後戻り出来ません。
また、ホルモン治療にはリスク(血栓症・肝臓病など)があるので、クリルオイル等でしっかりと対策を取る必要があります。
それらを覚悟した上で、新たな自分に向かって、女性化へ進んでいきましょう!