2002年生まれの「しょー」(MTF・トランスジェンダー)

トランスジェンダー(MTF)です。自分らしくなるための日記。

女性ホルモンの基礎知識(MTF向け)

女性ホルモンの種類について

女性ホルモンには「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」の2種類があります。

・卵胞ホルモン → 身体を女性らしくさせる役割がある。

・黄体ホルモン → 妊娠や出産に関わるホルモンで、抗男性化作用がある。

2種類のホルモンを摂取する事により、女性化に向けた効果に繋がります。

 

卵胞ホルモンの種類

弱 → エストリオール

・ → エストロン(80%)

・ → エストラジオール(4%)

強 → エチニルエストラジオール(45%)

 

( )内の値は、バイオアベイラビリティです。バイオアベイラビリティとは、錠剤に含まれる主成分が、身体にどれくらい作用されるかの割合の事です。

 

エストリオールは、女性化作用が弱く、MTFのホルモン治療では基本的に使われない。

エストロンは、天然型の卵胞ホルモンであり、ゆるやかに身体へ作用していくので、ホルモン治療初期の方が利用される事が多い。

エストラジオールは、天然型の卵胞ホルモンであり、血液検査で検出される女性ホルモン値は、このエストラジオールである。

エチニルエストラジオールは、科学的に作られたエストラジオールであり、エストラジオールに比べ、作用が強く、バイオアベイラビリティが高い。

 

黄体ホルモンの種類

弱 → プロゲステロン

・ → メドロキシプロゲステロン酢酸エステル 

強 → 酢酸シプロテロン

 

プロゲステロンは、天然の黄体ホルモンであり、黄体ホルモン本来の効果が発揮される。

メドロキシプロゲステロン酢酸エステルは、科学的に作られた黄体ホルモンであり、プロゲステロンよりも抗男性化作用が強い。

酢酸シプロテロンは、強力な抗男性化作用を持ち、テストステロン値を一気に下げることができる。その分、副作用のリスクが大きい為、6ヵ月以上の連続服用は医学的に禁止されている。

 

女性ホルモンによる身体への作用

得られる効果

  • 体臭が抑えられる。
  • ニキビが減る、もしくは無くなる。
  • 乳腺が発達し、胸が大きくなる。
  • 脂肪の付き方(顔・尻・腰など)が女性的になる。
  • 髪質が柔らかくなり、しなやかになる。
  • 髭や体毛が細くなり、生えにくくなる。
  • 肌が白くなったり、肌質が綺麗になる。

 

副作用

  • ホルモンバランスの崩れにより、眠気に襲われやすい。
  • 食欲が増し、頻繁に何かを食べたくなる。
  • 体重や体脂肪率が増加する。
  • 血栓症や肝臓病などのリスクがある。

 

女性化する為の条件

  1. テストステロン(男性ホルモン値)を、女性基準値まで下げる。
  2. エストラジオール(女性ホルモン値)を上げる。
  3. アルコール類を控える。

卵胞ホルモンのみ摂取した場合、女性化はなかなか進みません。

卵胞ホルモンでエストラジオール値(女性ホルモン値)が上がったとしても、テストステロン値(男性ホルモン値)が高いと、男性ホルモンによって女性化が阻害され、女性化が進まないという事です。

なので、女性化する為には、「卵胞ホルモン」「黄体ホルモン or 抗男性ホルモン」を摂取する必要があります。

また、アルコール類を摂取すると、肝臓でアルコールが分解されると同時に、女性ホルモンも分解されやすくなります。効果を十分に得たい場合、アルコール類は控えるべきでしょう。

 

性ホルモン値について

性ホルモン値の基準値です。

MTFの理想は、テストステロン値:0.50ng/ml以下エストラジオール値:80pg/ml以上 となります。テストステロン値を下げつつ、エストラジオール値を上げる事が大切です。

テストステロン値を一気に下げたい場合は「酢酸シプロテロン(シテロン等)」が有効です。2~3ヵ月で、0.25ng/ml以下まで下がる場合がほとんどです。

エストラジオール値を上げるには、エストラジオール(E2)を含んだホルモン剤を摂取する必要があります。例えば、卵胞ホルモンとしてエチニルエストラジオール(EE2)のみ摂取した場合、血中エストラジオール値は上がりません。(検査で検出されない)

 

まとめ

女性化する為には「覚悟」も必要だと思います。

一度ホルモン治療を行うと、性機能は低下し、子供が作れなくなるケースがほとんどです。ホルモン治療を辞めたとしても性機能は死んでいる為、後戻り出来ません。

また、ホルモン治療にはリスク(血栓症・肝臓病など)があるので、クリルオイル等でしっかりと対策を取る必要があります。

それらを覚悟した上で、新たな自分に向かって、女性化へ進んでいきましょう!

ホルモン治療後 ~ 現在まで(8ヵ月間)

私はホルモン治療(錠剤)を開始してから、8ヵ月が経ちます。

オオサカ堂などでホルモン剤を購入し、今もそのホルモン治療を続けています。

いろいろなホルモン剤を試し、実際にどのような変化が表れたのかを、まとめたいと思います。

ホルモン治療歴

~1ヵ月目

  • プレモン → 4錠/日
  • マレフェ → 4錠/日
  • エストロフェム → 4錠/日

ホルモン治療を開始し、当時は作用のゆるやかな「プレモン」「マレフェ」に加えて、E2を摂る為に「エストロフェム」を摂取していました。

正直、最初の1ヵ月では、大きな変化は感じられませんでした。

「食欲増進」に関しては、しっかり感じられましたが、副作用の1つになるっぽいです。

 

~2ヵ月目

  • プレモン → 3錠/日
  • マレフェ → 3錠/日
  • ダイアン35 → 2錠/日

ここで「ダイアン35(EE2+酢酸シプロテロン)」を摂取するようになり、エストロフェムは一旦辞め、「プレモン」「マレフェ」の量も減らしました。

ダイアン35に関しては、エチニルエストラジオール(EE2)が含まれているのと、酢酸シプロテロン(抗男性ホルモン剤)が含まれているので、副作用やリスクを抑えるために「クリルオイル」のサプリをAmazonで購入して、飲んでいました。

体への変化も表れ「胸にしこりが出来て、乳腺が発達してくる」「体毛が薄く(細く)なる」「皮脂や体臭が抑えられる」「ニキビが完全に無くなった」などの作用がありました。

副作用としては「頻繁に何かを食べたくなる(食欲増進)」「基礎体温の上昇」でしょうか。体温の上昇に関しては、1ヵ月ほど続いただけなので、一時的なものでしたが、食後などは37.5℃を超える機会が多かったです。

 

~7ヵ月目

  • シテロン → 2錠/日
  • エチニラ → 4錠/日
  • マレフェ → 2錠/日

身体がホルモン剤に慣れた為、より強力な「シテロン」「エチニラ」を摂取するようになりました。

シテロンの場合、酢酸シプロテロン(抗男性ホルモン剤)が多く含まれているので、抗男性化作用に関しては即効性があるみたいです。

エチニラの場合、エチニルエストラジオール(EE2)を主成分とし、卵胞ホルモンとしては強い作用を持ちます。

「シテロン」「エチニラ」を組み合わせて4ヵ月続ける事により、体の変化も大きく表れ、「乳腺が発達し、胸が大きくなった(Aカップ程)」「脂肪の付き方(腰・尻・胸など)が女性的になった」「ムダ毛(体毛)が、かなり生えにくくなった」などの効果がありました。

副作用としては「頻繁に眠たくなる」でしょうか。仕事中などにも、よく眠気に襲われてしまうので、ブドウ糖やカフェインなどで対策を取っています。

また、ホルモン治療の6ヵ月目(2024年1月22日)に、ホルモン値検査(血液検査)を行いました。

テストステロン値は、大幅に下がり、女性基準値未満となりました。シテロンの影響?「男性ホルモンを減らした」より「男性ホルモンを無くした」という表現が合いそうな気がします。

エストラジオール値は、女性基準値には入っているが、更年期ギリギリラインでした。恐らくですが、エチニラ(EE2)の分に関しては、E2ではなくEE2なので、ホルモン値検査では検出されないみたいです…。エチニラ(EE2)だけではなく、E2も摂らないといけないと知りました。

 

~8ヵ月目(現在)

  • シテロン → 2錠/日
  • エチニラ → 8錠/日
  • プロゲスタン → 2錠/日
  • エストロフェム → 8錠/日
  • スルピリド → 3錠/日

前回のホルモン値検査で、E2も摂らないといけないと知り「エストロフェム」を再開しました。「エチニラ」「エストロフェム」は気持ち的に多めで摂っています。

また、プロゲスタンも摂るようにし、天然の黄体ホルモンも摂るようにしています。

スルピリドに関しては、胸を大きくする目的で飲んでいます。

ホルモン剤の種類を増やしたのか、胸のハリが強く感じます。特に朝起きた時が一番痛く感じます。

4月中に再度ホルモン値検査を行うので、結果が出たら記載したいと思います。

 

まとめ

ホルモン治療を8ヵ月間続けた事により、以下の作用を感じました。

  • 食欲が増え、体重と体脂肪率が増加してしまった。
  • 乳腺が発達し、胸がAカップまで大きく出来た。
  • 皮脂や体臭が抑えられ、ニキビが無くなった。
  • ムダ毛(体毛)を薄く、細くする事が出来た。
  • 日常的に「眠気」を感じるようになった。
  • 脂肪の付き方(腰・尻・胸など)が女性的になった。
  • 顔に脂肪が付き、雰囲気が柔らかくなった。

これからもホルモン治療を続け、自分らしく生きる為に頑張って行きます。

今後の変化も「楽しみ」の一つです。

女性ホルモン剤の種類について

個人輸入通販(オオサカ堂など)で買える、女性ホルモン(錠剤)の種類を載せていきたいと思います。

下に行くにつれて、ホルモン剤の作用が強力になっていきます。

価格については、オオサカ堂を参考に記載しています。

ホルモン剤の種類 ~

卵胞ホルモン

プレモン

成分 → エストロゲン 0.625mg or 1.25mg

半減期 → 約6時間

価格 → 20円/錠(0.625mg)、32円/錠(1.25mg)

効果 → ★★☆☆☆

 

MTFの方にとっては、人気のある卵胞ホルモン剤である。

プレモンを摂取する事により、女性らしい体つきなどを手に入れる事ができ、ホルモン治療の初期に、マレフェと一緒に使われる場合が多い。

個人輸入通販では、0.625mg or 1.25mg として売っているが、同じ量で考えると1.25mgの方が安く買える。1.25mgをピルカッターで半分にし、0.625mgとして使うことも可能である。

天然型であり、安全性が高く、ホらに効果を求めたい人は、より強い卵胞ホルモン剤へ切り替える。

 

プロギノバ

成分 → エストラジオール 2mg(吉草酸エステル)

半減期 → 約12時間

価格 → 55円/錠

効果 → ★★★☆☆


プロギノバは、エストラジオールをエステル化させたもの(吉草酸エストラジオール)であり、効果としては普通のエストラジオールと一緒である。

プレモンよりも少し作用が強く、プレモンで身体を慣らした方にはおすすめである。

天然性の卵胞ホルモンであり、ホルモン値の検査で検出される女性ホルモン濃度は、このエストラジオールで検出されている。

 

エストロフェム

成分 → エストラジオール 2mg

半減期 → 約10時間

価格 → 62円/錠

効果 → ★★★☆☆~★★★★☆

 

プロギノバ同様、成分自体は「エストラジオール2mg」だが、エストロフェムに関してはマイクロ化したエストラジオールが使われており、舌下吸収として使うと、体内に吸収されやすく、より効果が高まる。

プロギノバと同じく、ホルモン値の検査で検出される女性ホルモン濃度は、このエストラジオールで検出されている。

 

エチニラ

成分 → エチニル・エストラジオール 0.05mg

半減期 → 約11時間

価格 → 32円/錠

効果 → ★★★★★

 

エチニラの主成分である「エチニルエストラジオール」は、科学的に作られたエストラジオールであり、エストラジオールに比べ、作用が強く、バイオアベイラビリティが高い。

作用が強く、女性化効果が高い分、副作用(血栓・肝臓病)のリスクが、より大きく伴う為、クリルオイルのサプリの摂取が推奨される。

 

 

黄体ホルモン

プロゲスタン

成分 → プロゲステロン 200mg

半減期 → 約6~12時間

価格 → 85円/錠

効果 → ★★☆☆☆

 

プロゲスタンは、天然の黄体ホルモン(プロゲステロン)を主成分とし、「黄体ホルモン」として摂取したい場合に推奨される。

抗男性化作用に関しては、そこまで大きくないが、「卵胞ホルモン剤+プロゲスタン+抗男性ホルモン剤」として摂取する事により、大きな女性化効果が得られる。

 

マレフェ

成分 → メドロキシ・プロゲステロン・酢酸エステル 10mg

半減期 → 約12時間

価格 → 21円/錠

効果 → ★★★☆☆

 

MTFの方にとっては、人気のある黄体ホルモン剤である。

黄体ホルモンの成分により、男性ホルモンの抑制に繋がり、テストステロン値を下げる事が出来る。ホルモン治療の初期に、プレモンと一緒に使われる場合が多い。

 

シテロン

成分 → 酢酸シプロテロン 50mg

半減期 → 約36時間

価格 → 100円/錠

効果 → ★★★★★

 

シテロンは、強力な抗男性化作用を持つ薬であり、別名「抗男性ホルモン剤」とも呼ばれる。

主成分である「酢酸シプロテロン」は、強力な抗男性化作用を持つが、健康リスクが高く、6ヵ月以上の連続服用は好ましくない。(医学的には禁止されている)

即効性がある為、シテロンで男性ホルモン値を一気に下げ、テストステロン値が女性基準値未満まで下がったら、マレフェで維持する、という使用方法もある。

※しょーは、シテロンを1日2錠で4ヵ月服用した事により、テストステロン値が0.07ng/mlと、女性基準値未満まで下がりました。本当に強力だと思います。

 

 

その他(ホルモン剤・サプリ)

ダイアン35(ホルモン剤

 

成分 → 酢酸シプロテロン 2mg + エチニル・エストラジオール 0.035mg

半減期 → 約12時間

価格 → 80円/錠

効果 → ★★★★☆

 

ダイアン35は「低用量ピル」であり、主成分は酢酸シプロテロン・エチニルエストラジオールの両方が含まれている。その為、単体の服用で女性化作用を求める事が出来る。

シテロンまでは行かないが、酢酸シプロテロンが含まれている為、それなりの抗男性化作用も持つ。

 

スルピール(スルピルド)

成分 → スルピリド 50mg

半減期 → 約6~12時間

価格 → 50円/錠

効果 → ★★☆☆☆~★★★☆☆

 

本来は、統合失調症うつ病などを治療する薬である。

興奮を抑え、幻覚・妄想を抑えることができ、気分を安定させる事が出来る。また、胃腸の血流を増加させ、胃腸の運動を良くする効果もある。

このスルピリドの副作用には「胸が大きくなる」「母乳が出てくる」という作用があるが、この副作用を逆に利用し、女性化の補助的な意味で使われる人がいる。

 

クリルオイル

成分 → DHAEPADPA

価格 → 50円/錠(Amazon

 

クリルオイルは、女性ホルモン剤による副作用やリスク(血栓・肝臓病)を予防するものであり、南極のオキアミの成分から抽出されている。

血栓や肝臓病の予防だけではなく、コレステロール値・中性脂肪を下げたり、高血圧の対策や、脳の活性化などの効果があり、様々なメリットが得られる。

 

 

まとめ

ホルモン剤は、卵胞ホルモン+黄体ホルモンの2種類を摂取する事により、女性化に繋がります。

例えば卵胞ホルモン単体だと、男性ホルモン値を下げる事ができず、女性化の阻害となってしまう為、十分に効果が発揮出来ません。

また、女性ホルモン剤による治療は、リスクを伴います。その為、クリルオイルなどで、しっかりと対策を取ることを推奨します。

今の自分自身のホルモン値を知りたい場合は、ジェンダークリニックなどに行き、ホルモン値を把握し、それを参考に調整していくのもアリだと思います。

また、ホルモン治療を行うと、元には戻れません。それを承知した上で、新たな自分に向けて、頑張って行きましょう!

はじめまして ~自己紹介~

はじめまして。しょーです。

私自身は「トランスジェンダーMTF)」と認識しており、ジェンダークリニックに通いつつ、現在はホルモン剤を用いた治療を行っております。

このブログでは、自分らしく生きるために日記・ホルモン剤による治療・体験談などを載せていきたいと思います。

 

自己紹介

名前 → 「しょー」

生年月日 → 2002年7月

身長 → 160cm

所在地 → 大阪府

 

私の経歴について

2002年7月に生まれ、幼稚園 → 小学校 → 中学校 → 高校 → 会社員 であり、2024年3月現在、会社員(デスクワーク系)として勤めています。

 

私自身が「性の違和感」を "強く" 抱え込み始めたのは、10代前半の頃であり、いつものように悩み続けていました。

親・友達・先生にカミングアウト出来たのは、中3の頃であり、学生時代は「トイレ」「修学旅行」などの配慮を頂いていました。

小学生時代には『発達障害』『ADHD』の診断が下りており、ジェンダークリニックとは別に、心療内科へ通っています。

 

最後に

このブログでは、皆様に役立ちそうな「体験談」なども残していきたいと思います。

是非よろしくお願いします!